【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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134:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 17:31:02.12 ID:eQRkBpc+0

「ぐっ……黙れ……黙れぇええええええええええええええええ!!」

 ゴーダーツが掴まれた足に力をこめる。まずいと思ったときにはすでに、ユニコはゴーダーツの圧倒的な脚力によって吹き飛ばされていた。足を踏ん張り、道路を削ってなんとか止まる。

「……分かってもらう気などない! 私はもう、戻れないのだ!!」

 ゴーダーツが両手をユニコに向け掲げる。そこに、光が集約する。それはプリキュアの光とは似ても似つかない、悪辣な光だ。見ているだけで気が滅入るような、邪悪な感情がこれでもかと詰まっている。

「…… “戻れない” ね」 そんな危機的な状況だというのに、ユニコはどうとも思わなかった。ただそっと、誰にも聞こえない声で呟いた。「ってことは、戻りたいってことじゃない」

 とはいえゴーダーツの光は脅威である。あれが自分に向かって飛んできたら、避けられるだろうか。

「ユニコ!」

 そんな杞憂を吹き飛ばすように、ユニコの耳朶を甲高い声が叩いた。

「フレン!? 危ないじゃない! 隠れていなさい!」

「そんなことを言っている場合じゃないニコ! よく聞くニコ! この前の、河原での戦いを思い出すニコ!」

「河原での戦い? ああ、あのグリフが戻ってきたときの……」

「そうニコ! そのとき、グリフがとんでもない力を発揮したことを覚えているニコ?」

 そういえば、と思い出す。ウバイトールが自分とグリフに向け腕を振り下ろしたとき、薄紅色の光を纏ったグリフがその腕をつかみ、あまつさえウバイトールの巨体を投げ飛ばしさえしたのだ。あのときのグリフは、たしかにすさまじかった。

「あれがどうかしたの?」

「あれは、キュアグリフの “立ち向かう勇気の光” ニコ。そして、ユニコにはユニコの力があるニコ!」

「私の力……?」

「よそ見をするとは、大層な余裕だな! キュアユニコッ!!」

 集約した光が、轟音と共にゴーダーツの手を離れた。フレンを連れて逃げる余裕はない。

「ユニコの力…… “守り抜く優しさの光” を使うニコ!!」

「守り抜く、優しさの光……」

 ゴーダーツの放った光は道路を削り、生け垣をなぎ倒し、目前まで迫っている。圧倒的な圧力を内包するその光の弾丸に、しかしユニコはひるむことなく立ち向かう。

 フレンの言葉を信じていたから。そして、フレンを守らなければならないからだ。

(守り抜く優しさの光。あのときの、グリフのように、私も……)

 だからユニコは、光に対し手をかざした。できると、信じた。

(私も……グリフのように!)



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