【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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133:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 17:30:05.44 ID:eQRkBpc+0

「……いいだろう。今日こそは、その紋章をいただいていく! ウバイトール!」

 ゴーダーツが手を掲げる。薄暗い空が割れ、そこから欲望の化身たるあやふやな存在が地に墜ちる。それはすぐそばの街灯に取り付き、そして欲望に満ちた怪物が誕生する。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 本来ならあるはずのない手、足、そして、悪辣な瞳。街灯から生み出されたウバイトールが、ふたりの伝説の戦士に向け明確な敵意を表す。

「なんだろう……よくわかんないけど、これ、いつも以上にすごい……」

「ええ。すごい敵意だわ……」

 思わず後じさる。しかし、それを見逃す敵ではなかった。

「臆したか、プリキュア。しかしもう遅い!」

 ウバイトールに気を取られていたふたりは、ゴーダーツの一瞬の挙動に追いつくことができなかった。ゴーダーツは大地を蹴り、一瞬でふたりに肉薄した。

「ッ……!」

「はぁあああああああああああああああああああ!!!」

 ゴーダーツの蹴りがユニコへ飛ぶ。ユニコはそれを両腕でいなし、続けて放たれた拳も避け、防戦一方ながらゴーダーツの動きに合わせ続ける。

「ユニコ!」

「グリフ! あなたはウバイトールを!」

 よそ見をできるような相手ではない。ユニコはそう叫ぶと、自らもゴーダーツに向け蹴りを放つ。ほんの一瞬だけゴーダーツが攻撃の手を緩めるが、その直後にすぐに攻撃が開始される。

「っ……ゴーダーツ! いい加減にしなさい! あなたは間違ってるわ!」

「なんだ? 貴様まで腰抜けになったか、キュアユニコ!」

「腰抜けと笑うのは自由にしなさい! けれど、グリフはあなたたちを止めようとしているのよ!」

「何をバカな。我々のことも知らずに、よくもまぁそんな無責任なことが言えたものだ!」

「っ……」

 その物言いに、ユニコは少しだけ頭に来た。だから少しくらい無茶でも、ゴーダーツの蹴りを真正面から受け止めた。

「ふざけてんじゃないわよ! 知ってほしいなら話しなさいよ! あんたには喋るための口があるでしょうが!!」

「な……! 貴様……」

 さすがに、痛い。けれど、ゴーダーツの動きを止めることはできた。

「あんたたちがどうしてこんなことをしているのかなんて知らない。知らないから、理解しようもない。私自身は、あんまり理解したいとも思わない」

 目の前には、生気の抜け落ちた男の顔があった。あまりにも陳腐な悪役の顔だ。それはユニコにとって、敵でしかない。だけど、

「……けど、グリフは助けたいのよ。あんたたちのことも。あんたたちのことを叱って、改心させたいって言ってるのよ。だから、私もあんたたちのことを、あきらめるわけにはいかないのよ!」



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