【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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123:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 17:18:58.41 ID:eQRkBpc+0

「……大埜さんはさ」

「うん?」

「とっても優しいよね。けど、優しすぎるから、いろいろと考えすぎちゃって、だから、その優しさをあんまり表に出せないんじゃないかな」

 ゆうきは本人には天然という言葉はよくわからない。けれど、友達に対してお節介をしてしまうことが天然だというのなら、それはそれでいい気がした。

「きっと、想いを伝えて、迷惑だなって思われることはないと思う。相手のことを知りたいって思うことは、決して迷惑なんかじゃないと思う」

 ゆうきは笑って、続けた。

「だって、わたしは大埜さんに、もっとわたしのことを知ってもらいたいから」

「……王野さん」

 知ってほしい。知りたい。だって、友達だから。それはきっと、ブレイとフレンも変わりないと思うのだ。

「ふふっ……王野さんって、ほんと、お節介ね」

「えっ……」

 我ながら、なかなかいいことを言ったのではないかと思っていたから、そのめぐみの言葉はゆうきにとって少なからずショックであった。

「ああ、ごめんなさい。悪い意味ではないの。ほめ言葉よ、むしろ」

「……そうなの?」

「そうよ」

 にわかには信じられないが、めぐみの優しい笑顔を見て、うそをついていないということはわかった。

「私にはない優しさだもの。そんな風になれたら、私も……」

「?」

「……ごめんなさい。なんでもないわ」

 めぐみが何か、言葉を飲み込んだ。

 世界は勇気と優しさにあふれている。友達のことを知りたいという気持ち。自分の行いが迷惑なんじゃないかと不安になる優しさ。けれどそれを覚悟した上で相手に意見をする勇気。小さなちいさな、すぐにかき消えてしまいそうな想いだけれど、それはしっかりと心に息づき、育まれている。小さなちいさなその想いは、芽を出し、大きな勇気、大きな優しさとして誰かを救うのかもしれない。

「……家に帰ったら、一度ふたりと話してみなくちゃならないわね」

「うん!」

 世界はままならないことばかりだ。けれど、小さな勇気や優しさがひとを救うのなら、そんなままならない世界は、きっと美しいものでいっぱいになる。

 世界はきっとずっと、そうやって回ってきたのだ。



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