【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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114:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 17:09:39.86 ID:eQRkBpc+0

…………………………

「ねえねえねえゆうきぃ」

「なぁに、ユキナ?」

 とある休み時間。平常授業が始まって、休み時間は貴重な骨休みだ。次の時間の準備をして、机でゆっくりくつろいでいたそんなとき、ユキナが甘えるようにしなだれかかってきた。

「これ、クラスの掲示板に貼ってもいいかなぁ?」

 ユキナが上目遣いで差し出してきたのは、A4サイズの一枚の紙。

「なに、これ?」

「演劇部のポスターだよ。今度の新入生歓迎会で講演する演劇の告知なの」

「? 新入生歓迎会のポスターなのに、どうして二年生のうちのクラスに貼るのよ」

「新入生歓迎会は、二年生以上も自由に観に来ていいんだよ。だから、その告知のために貼りたいんだ」

 ゆうきの問いに答えたのは、少し低いボーイッシュな声。いつの間にか傍らに有紗が立っていた。有紗もユキナと同じ演劇部員なのだ。

「私からも頼む、ゆうき。クラスのみんなにも私たちの演劇を観てもらいたいんだ」

「うん、もちろん、そういうことならいいよ。でも、学級委員以外が教室の掲示物を勝手に変えちゃいけないから、これは先生に言ってから、わたしが貼っておくね」

「おお! さっすがゆうきぃ! 話が分かるね!」

「ち、ちょっと重いよユキナ!」

 ますます体重を預けてきたユキナにたまらず声を上げると、呆れたような顔をして有紗が引きはがしてくれる。

「あんたは、まったく……」

「えへへー、ごめん」

 腰に手を当てるお姉さんのような有紗と、反省しているのかしていないのか分からない妹のようなユキナ。そんな凸凹コンビを眺めていると、ふと視線を感じた。

「……?」

「…………」

(大埜さん?)

 数秒間だけ視線が交錯する。クラスでは無表情に徹している(ようにゆうきには見える)めぐみは、そのまま笑みを浮かべることもなく視線を逸らした。

(どうしたんだろ?)

「じゃ、頼んだねー、ゆうきっ」

「あ、うん。今日の放課後までには貼っておくよ」

「ありがとう。頼んだ」

 朗らかに頼むユキナと、丁寧にお辞儀までしてくれる有紗。そんな対照的なふたりだが、どこか馬が合うのだろう。

(まあ、よく考えたら、)

 と、ゆうきは、すでに次の時間の予習に没頭しているめぐみの方を眺めながら思った。

(わたしと大埜さんも、結構凸凹だよね)



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