7:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:27:54.04 ID:nZJI/gt30
私は真姫さんが苦手だった。
同じ「お嬢様」のはずなのに、一言、二言と言葉を交わすたび、なんだか逃げ出してしまいたくなる。
私になんて微塵も興味がなさそうな目、静かに弱いところをついてくる台詞、どれもがチクチクと痛かった。
そして何より、果南と同じ紫の瞳が心をざわつかせた。
目を見るだけで、じくじくと胸が痛んだ。
それなのに、真姫さんの瞳から目が離せなかった。
真姫「……そう、スクールアイドルをやっていたのね」
鞠莉「ちょっとだけよ」
ふと気がつけば、私は「そんなこと」まで話していた。
真姫「歌詞を書いたり?」
鞠莉「作曲を、少し」
真姫「一緒ね」
鞠莉「……」
一緒なものか。
片や伝説のスクールアイドル、片や招待されたイベントですら踊れなかった体たらく。
すました顔で一緒だなんて言う真姫さんは、苦労を知らないに違いない。
たくさんの仲間と一緒に、3年間スクールアイドルをやって、医学部にも行って。
鞠莉「……順風満帆ね」
真姫「そうかしら」
ほら、またすまし顔。
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