6:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:27:09.85 ID:nZJI/gt30
真姫「お父様の話をされるのは嫌い?」
図星だった。
お父様はね、君のお父様は、私は小原さんに―――。
耳にたこができるほど浴びてきた言葉だ。
真姫「ま、気持ちはわかるわよ。私もこういうの好みじゃないし」
鞠莉「くだらないわ」
真姫「……そうね」
含みのある顔で、真姫さんはじっと見つめてきた。
なんだか急に自分が幼くなったような気がした。
鞠莉「真姫さんは、どうしてアメリカに?」
真姫「私、こっちで医学を勉強しているの。わかりやすく言えば、留学ね」
鞠莉「医学……」
真姫「普段は勉強ばっかりよ。付き合いも悪いし、周りには冷たい女だと思われてるわ」
鞠莉「私も、そうかも。日本のほうが好み。留学だって、言いつけだったわ」
嘘だった。
私には、親の言いつけを断ることだってできていたはずだった。
真姫「……そう、言いつけ」
鞠莉「それに、日本の友達は手紙を返してもくれないのよ。直接文句をつけてやりたいの」
真姫「メールか電話じゃダメなの?」
鞠莉「……そうね、そう。それでも大丈夫」
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