鞠莉(16)「留学してそろそろ半年ね……」
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24:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:41:27.85 ID:nZJI/gt30


ことり「帰ったら仲直りできそう?」

鞠莉「……わからないわ。パパにはこっちの大学を出るように言われているの」

ことり「日本に戻るのは、だいぶ先だねぇ」

鞠莉「そうなるかも」

ことり「後悔してる?」

鞠莉「……」

ことりさんは、この前と同じ顔で私を見ていた。


鞠莉「……わからないわ。留学は必要なことだもの。海外で経営を学んで、パパの後を継ぐの。パパはそれを望んでる」

鞠莉「果南とダイヤもそう。私のためだって、そう思ってるの」

鞠莉「私は一人娘だもの。後を継ぐのだって嫌なわけじゃないわ。でも……」

何と続けていいかわからなくなって、言葉を切った。


ことり「でも?」

鞠莉「……」

自分の言葉に嘘はない。留学したくなかったわけじゃない。

無理やりさせられたわけでもない。


でも、それならどうして毎晩毎晩、あの日の夢を見るのだろう。

真姫さんの言葉に、どうしてこんなにお腹が痛むのだろう。

ことりさんの前で、どうしてこんなに暗い気持ちになるのだろう。


果南が歌えなかった。何もせずにステージから降りた。

そうじゃない。私はそんなこと怒ってなんかない。

私が嫌なのは、私がどうしても気にしてしまうのは、きっと、もっと……。



そうだ、きっとあの日、私は、私たちは―――。




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