鞠莉(16)「留学してそろそろ半年ね……」
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12:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:31:46.28 ID:nZJI/gt30


ぐるぐる回り始めた思考は止まらない。

「何のために」ここにいるんだろう。

私は本当に「留学」して来たのだろうか。

私は、本当は、果南から、ダイヤから、スクールアイドルから――。


鞠莉「逃げてなんかないわっ!」

「きゃっ」


ぎゅっと目をつぶった拍子に、肩を軽くぶつけてしまった。

慌てて開けた目に飛び込んできたのは、えんじ色の毛糸玉だった。

「あっ、毛糸さんが……」

鞠莉「Sorry……。前をよく見ていな―――え?」

足元に転がってきた毛糸を拾って渡そうとした。

動きが止まる。

見覚えがある。間違いない。

あの人に会った後、久しぶりに動画を見返したのだ。


ああ、これは真姫さんの呪いなのかしら。

だって、いったい、どんな確率で。


ことり「ううん、大丈夫! ことりも荷物を抱えてて……あはは」


鞠莉「南……ことりさん?」




   *




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