43: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:27:57.78 ID:Qezuh/qr0
噂をすれば、と言うべきでしょうか。
ホテルのロビーに飛び込んできたのは、まさに私達が話題に出した子でした。
「はぁっ、はぁっ、はぁ〜……! は、話を、聞かせてもらいました〜……っ!」
「菜帆ちゃん!」
私達のことを聞きつけたのでしょう。
慌てて駆け付けたと思しき菜帆ちゃんは、かなり焦燥している感じでした。
普段、慌てたり悲しんだりすること自体があまりないのでしょう。
包み込まれるような安心感のあった初対面と比べ、私の心まで痛くなりました。
「さればやはりー、そなたもまたー、狸の変化なのでしてー?」
「あ、はい〜。私はちょっと変わり種ですけど〜」
ポンッ!
と、出たのは立派な耳と尻尾。
となれば、私もそのままではいられません。
ポンッ!
と同じく尻尾を出して、狸的交流の最初の一歩を踏み出します。
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