20: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:12:26.72 ID:Qezuh/qr0
ホテルへは、せっかくだから路面電車に乗って向かいました。
ゆったり走る電車の窓から、懐かしい熊本の街並みが流れていくのが見えます。
私達は並んで席に座り、修復工事真っ最中の熊本城を拝みました。
「いいとこだなぁ」
と、プロデューサーさんがぽつりとこぼします。
私はなんだかとても嬉しくなってしまいました。
「熊本、好きになってくれました?」
「うん。まだほんのちょっとしか回れてないけどな。今度はオフの時にでも旅行に行きたいよ」
「あの。じゃあ……たとえばなんですけど、いつかはここに住んでみる……なんて」
プロデューサーさんは目をぱちくりさせます。
流石にちょっと切り込みすぎたかも……と後悔しちゃう私でしたが、彼は真剣に考えて、答えてくれます。
「そうだなぁ。今は東京で働いてたいけど、仕事が落ち着いたり、なんか一段落ついたりしたら……。
うちのアイドルをトップに導いて、俺がいなくても大丈夫ってくらいにてっぺん取ったら、引退してここに住むのも良いかもな」
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