【モバマス】十年後もお互いに独身だったら結婚する約束の比奈と(元)P
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◆Z5wk4/jklI
[saga]
2017/12/26(火) 21:52:29.12 ID:kmslFcGc0
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自室の部屋の扉が閉まった。
「う、う、ううううう〜〜〜なんで、なんで居るっスかぁぁ〜〜?」
言いながら記憶をたどる。
居酒屋で四杯目のチューハイのジョッキが運ばれてきたところまで覚えている。その次はトイレの記憶。その次が上条春菜にいろいろな眼鏡をかけられて遊ばれてる記憶。その次が一本締め。その次は、信頼する手に支えられてこの部屋へと歩いてきた記憶。
「……誰かほかに介抱しようって人はいなかったんスか」
恨みがましくこぼしてみるが、呑み会でもずっと、例の約束のことをいじられ続けていたような気がする。それならこの結果はむしろ必然か。呑まされすぎたところまでお膳立ての一部なのだろうと比奈は思った。
「借金が膨らんでどうしようもなくなるって、こういう気持ちっスかね……」
溜息をついて、はたと思い出し、部屋を見渡す。一角に、出発前に乱暴に取り込んだだけの洗濯物が散らばっている。上着も下着も区別なく。比奈はばたばたとそれらをランドリーバッグに詰め込んで、寝室へと放り込んだ。
ほかにも部屋の中に綺麗と言えない場所は多かったが、酔いと疲れで気力のほうが潰えた。あまりにも見苦しいと感じたところだけ簡単に整えておく。
まだ動くたびに頭が痛むので、比奈はそのままソファーに膝を抱えて座り込んだ。時刻は夜の十一時前。
もう一度部屋の扉が開いたとき、どんな顔をしていればいいのか。比奈はむー、と唸る。
それから、ふっと肩の力を抜いた。
「……千枝ちゃんは、すごいっスね」
千枝が玉砕したという話は、たまたまプロダクション内で出会ったときに、千枝自身から聞かされていた。それにどういう意図があったのかはわからない。ただ、千枝はすごく落ち着いていて、憂いも悔いもないような表情をしていた。いつも比奈のことを大人だと評していた千枝に、追い抜かれたと比奈は感じた。
自ら行動した千枝に対し、比奈は九年経った約束に縛られて、身動きが取れずにいる。
外的要因でもなければ、結婚しないで許される状況ではなくなっている。
結婚したところで、そこに比奈や相手の気持ちがどれだけあるのか見えずにいる。
じゃあ、それを確かめる行動をすればいい。その勇気が出ずにいる。
「で、たくさんお膳立てされて、いまがそのチャンスっスか……?」
ぼやけた頭で玄関の扉を見つめていると、ドアノブが動いた。
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