【モバマス】十年後もお互いに独身だったら結婚する約束の比奈と(元)P
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◆Z5wk4/jklI
[sage saga]
2017/12/15(金) 22:45:33.76 ID:pJOnavxQ0
「アドバイス……そうね、比奈ちゃん……その話……」瑞樹は神妙な顔で比奈を見る。「知ってたわ」
「マジっスか!?」
比奈は悲鳴のような声をあげる。
「はぁとも知ってるぞ☆」
「どこまで広まってるっスか!?」
「あと一年だな☆」
「うう……」
比奈は顔を真っ赤にして身じろいだ。
「そもそも、もっと早くくっつくもんだと思ってたわよ」
「へっ?」比奈は高い声をあげる。「いやいやいやいやいや、ないっスよ! 考えられないっス! だって、プロデューサーっスよ!?」
「『元』だろ? 今は社外で比奈ちゃんもアイドル引退してるし、頃合いだ! いっちゃえいっちゃえ♪」
「うう……あの人は、そーいうんじゃないっスよ……」
「あら」瑞樹は嬉しそうな顔をする。「じゃあ三つ質問するわ。彼はどーいうんなの? それから、どーいうんがいいの? それから、彼じゃダメなの?」
「あんまりイジメないでほしいっス……」
「はいはい」瑞樹は笑う。「回答は許してあげるわ。でも、ほんとに今までそういうチャンス、なかったの?」
「正直……アイドルになる前は人との関わりがほとんどありませんでしたし、アイドルになってから引退するまではお仕事でそんな暇もなかったっス。今も有難いことにお仕事は充実してますし、恋愛とか結婚とか……考える暇がなかったっス」
「仕事が恋人、ね。わかるわ。充実しているからこそ、よね」
瑞樹は溜息をつく。
「ま、悩め悩め☆ その年齢でマンガみたいな展開、ふつー味わえねーぞ♪」
「なんにも参考にならないっス……はあ、ちょっとお花を摘みにいってくるっス……」
比奈は肩を落として個室から出ていった。
残った二人はドアが閉まるのを確認してから、小声で話し始める。
「比奈ちゃんはああですけど、比奈ちゃんが気づいてないだけで男の影は両手で足りないほどありましたけどね」
「それで、敵さんはどんなご様子なのかしら?」
「マキノちゃんに調べてもらいまして、やっこさんも独身貫いてるようですぜ。おそらく期限待ちかと」
「律儀ねぇ……ブルーナポレオン担当してたときからそうだったけど、用意周到よね、社内で余計な波風立てないように余裕持って退社して、十分『一般人男性』になって、比奈ちゃんには待ってること黙ってるんでしょ?」
「正直、もうくっついてもいいんじゃないかって思いますけどね」
「比奈ちゃんならわからないままリミットに到達するかもしれないわね」
「おっと、それは……」
心が何か言いかけたとき、個室のドアノブが動く音がして、二人は同時に黙る。結局、入ってきたのはウェイターだった。
追加のワインと、あらかじめ店に予約を入れていた比奈のバースデーケーキがテーブルに置かれる。
ウェイターが去るのとほぼ同時に比奈が戻り、ケーキが運ばれたことをきっかけに、比奈のリミットの話はそのまま流れ、誕生パーティーが再開された。
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