【モバマス】十年後もお互いに独身だったら結婚する約束の比奈と(元)P
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◆Z5wk4/jklI
[saga]
2017/12/22(金) 23:23:21.88 ID:bG9RVlfB0
「でも、そんなの乱暴だよ! アイドルとプロデューサーじゃ、せっかくの約束が……」
沙理奈が先輩を睨みつける。先輩は両手を沙理奈に向けて「待って待って」と沙理奈を落ち着かせようとした。
「落ち着いてよ。会社としては『知らないよ』ってのは、なにもそういう約束を壊そうってんじゃなくてさ。えーと……キミのほうに聞くよ?」先輩はこちらを見る。「覚えてたらでいいけどね。美城の所属アイドルは恋愛禁止。……これは社則にある?」
「……ないです」
「そう。じゃあ、アイドルとプロデューサーの結婚を禁止するような社則は?」
「……それも、ないです」
「でしょ?」
先輩は涼やかな顔で言った。
「え?」沙理奈は意外そうな声をあげる。「ないの?」
「ないよ」先輩は沙理奈に微笑みかけた。「ていうか、人の心のことを規則で縛れないでしょ。仲のいい二人のどこからが恋愛かなんて定義できないし、気持ちがなければ肉体関係オッケー? それも違うよね。入籍していない事実婚はどうする? 縛れっこないんだよ、そんなの」
「……そっか。そうよね」
沙理奈は真面目な顔で頷く。
「アイドルがそうそう自由に恋愛してちゃ、仕事にならないのはそうだけどね。お題目とか、不文律みたいなものだから、会社が縛ってるわけじゃないよ。他社だって、芸能人とスタッフのスキャンダル、たまにあるでしょ?」
「じゃあ……」
沙理奈はこちらを見る。
じゃあ。
「あとは、本人達の気持ち次第ってこと。呼び出しに応じてくれてありがとね。正式な辞令とかは先方と詰めてちゃんと送るから。二人とも、よーく考えてね。結婚って、やっぱり大事なことだからさ」
先輩はそう言うと、テーブルに置かれた伝票を取って、レジへと向かってしまった。
残された三人ともが、去り行く先輩の後ろ姿を見て黙っていた。
なにが起こったのかを、改めて考えてみる。
これまで作り上げてきた「状況」は、なかったことになった。先輩はああ言ったけど、それでもプロデューサーと元とはいえ担当アイドルの結婚なんて、大きな問題になる。
つまり、中途半端な気持ちでは、結婚すべきではない。同時に、結婚できないということを残念に思った、という事実にも向き合わなくてはならなかった。
先輩は「結婚するな」とは言ってくれなかった。
比奈はどう思っているのだろうと考えて、比奈のほうを見る。
比奈もまた、真剣な眼でなにかを考えながら、自分のカップをあおっていた。そしてゆっくりとテーブルに置くと、バッグを持って立ち上がる。
「なんだか、色々あったっスけど」比奈はこちらを見ずに言った。「……アタシ、次の仕事あるんで、これで失礼するっス、その……二人とも、また、っス」
「あ、ああ」
「はーい、比奈ちゃんまたねー」
比奈はそそくさとカフェから出ていった。
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