46: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:50:28.33 ID:TXSil8FD0
志希「はぁ〜満足満足♪」
志希は両手の力を緩め、抱きしめるのをやめた。
他の3人はすこし遠くからボク達の方を見ていた。
周子「絶対あの2人私らおるん忘れてるで」
奏「プラトニックなラブ。素敵じゃない?」
周子「ダメだこりゃ」
そんなこそこそ話が聞こえてきたからボクは居心地が悪くなって、わざと咳払いをしてみせた。
フレデリカ(飛鳥)「あぁそうだ。存在証明か。ボクになにができるだろう」
志希「飛鳥ちゃんにしかできないことが絶対あるよ」
フレデリカ(飛鳥)「ボクにしかできないことか……」
奏「飛鳥、」
声の主の方向へ振り返ってみると奏さんが右手を開いてひらひらさせながら左手でそれを指差していた。
自分の手の中を見ろというサインだろうか。
手のひらを開いてみるとそこには握りつぶされたチケットがあった。
奏「もうすぐで始まるじゃない」
フレデリカ(飛鳥)「ライブチケット。そうか……!」
志希「飛鳥ちゃん、なにしでかすつもり〜?」
彼女は笑顔で尋ねてきた。
手の中の紙切れは形状記憶なのか、少しずつ元の形に戻っていく。
フレデリカ(飛鳥)「自分と真っ直ぐに向き合う刻が来たみたいだ」
志希「飛鳥ちゃん。あたし見てるからね」
フレデリカ(飛鳥)「ああ。嬉しいよ」
美嘉「アタシも飛鳥ちゃん応援してるからね!」
奏「しっかりやりなさい」
周子「がんばってー」
フレデリカ(飛鳥)「みんな……ありがとう」
ボクはボクとして応援されている。それがこんなにも嬉しいだなんて。
フレデリカ(飛鳥)「行ってくるよ」
一歩一歩の足取りがとても軽かった。歩いているつもりが、いつの間にか走り出していた。
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