38: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:35:44.49 ID:TXSil8FD0
【346プロ・事務所】
周子「ちゃんとチケットは用意した?」
奏「ちゃんとあるわよ」
周子「おー、ありがと。それにしても優待券とは便利な世の中ですなぁ」
奏「飛鳥に感謝しないとね」
事務所の公共スペースでLippsのみんなが集まっている。これからアスカちゃんのライブに行くためだ。
まだ時間に余裕があるからずいぶんとのんびりしてるみたい。
奏「これは志希の分」
志希「んー」
奏「もう、ちゃんと受け取りなさい」
シキちゃんはふかふかのソファに寝転んだまま、チケットを受け取った左手だけをたらんと落とした。
奏「はい、フレデリカと美嘉」
「ありがとー」
美嘉「……サンキュ」
カナデちゃんはチケットを渡してからシューコちゃんとのおしゃべりに戻っていった。
チケットを受け取ったミカちゃんはもやもやとした顔でそれをながめている。
昨日のことがまだ気になっているのかな。ちゃんとメールで説明したのに。
美嘉「ねぇ、フレちゃん。本当に大丈夫なの?」
「うん。昨日は驚かせちゃってごめんね」
美嘉「……やっぱりあれが演技だなんて思えないよ。フレちゃん、悩みがあるなら言って。私、なんでも聞くからさ」
「大丈夫だよ。ヘーキヘーキ! 実はね、最近見たアニメがすっごく面白くて〜、ついマネをしちゃったんだ」
ミカちゃんは俯きながら消化不良、といったカンジで相槌を打った。
大丈夫だよ。こうしているうちに、いつかいびつだった記憶は薄れていって。
そしたら今まで通りの日常が戻ってくるよ。だから心配しないで。
志希「……つまんないね」
「へっ?」
ぞくりと背中に寒気が走った。いやな言葉がどろどろとアタシの鼓膜を震わせる。
聞き間違い……だよね。
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