25: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:14:35.03 ID:TXSil8FD0
飛鳥(フレデリカ)「……カメレオンってね」
フレデリカ(飛鳥)「え……?」
飛鳥(フレデリカ)「感情でも色が変わっちゃうらしいよ。興奮して赤くなったり、体調が悪くて黒ずんだりするんだって。」
フレデリカの目線は何処か分からない虚空に定まっている。
飛鳥(フレデリカ)「カメレオンは、何色になりたかったのかな?」
フレデリカ(飛鳥)「フレデリカ……?」
飛鳥(フレデリカ)「青が好きなカメレオンがいるかもしれないし、ピンクが好きなカメレオンもいるかもしれないよ。あるいは色なんて気にしないカメレオンなんていうのもいるかもしれないね。」
フレデリカ(飛鳥)「違う……」
飛鳥(フレデリカ)「……でも、自分の意志に関係なく色は変わっちゃった。」
フレデリカはボクの返事に関係なく一方的に話し続けている。
それはまるで壊れてしまったラジオから聴こえてくる音のようだった。
耳を塞ぎ、頭まで届かせたくない。そんなノイズ。
フレデリカ(飛鳥)「やめろフレデリカ……!」
飛鳥(フレデリカ)「カメレオンはそんな自分の業を受け入れることができたのかな。」
フレデリカ(飛鳥)「キミは……そんな哲学的な語りをする人じゃなかっただろう!」
飛鳥(フレデリカ)「あー、でも理解んないや。カメレオンの気持ちはカメレオンだけのモノなんだし。」
フレデリカ(飛鳥)「もっと、もっとありのままのキミでいてくれよ!」
飛鳥(フレデリカ)「……そっか、」
飛鳥(フレデリカ)「そうだよね」
ようやく、ボクの方を見たフレデリカの表情は。
飛鳥(フレデリカ)「アスカちゃん。ボク、がんばるよ」
……笑顔だった。
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