22: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:10:08.42 ID:TXSil8FD0
1つのカラダに2つの人格が同居するのではなく、じわりじわりと片方の人格が上書きされている。
じゃあ完全にすり替わったらボクの意思はどうなってしまうんだ。
消えて……しまうのか?
嫌だ、掻き消されてしまう……ボクの中のボクがいなくなってゆく。
ボクの中の記憶がなくなる前に思い出すんだ。ボクは日仏のハーフでパリ出身。趣味はファッションで……
これはフレデリカのプロフィールだ!
ボクの記憶は破壊されてしまったとでもいうのか。
やめろ、違うんだ。ボクは二宮飛鳥なんだ…
ボクの好きな食べ物は。趣味は。好みの服は。好きな本は。何にエモーションを感じ、どんな時に嬉しくなってどんな時に悲しみを抱いたのか。
……ボクの大切な思い出は。
どんなに抗って見せても、ボクの記憶は霞み行く深海の中。
『お菓子を作るのも食べるのも好きで、短大でデザインを学んでいてファッションにはこだわりたいな! ふわふわもこもこした服が好みなんだー。あとそれからー。えーと、みんなが笑顔になってくれると嬉しいかも☆』
漁れば漁るほど出てくる記憶たち。
何故だ?何故二宮飛鳥の記憶が出てこないんだ!
カラダもココロもフレデリカ。
もう、この中に二宮飛鳥は無くなりかけている。でも自分をフレデリカと認めたくはない。
だとしたら一体ボクは……何者なんだ?
60Res/93.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20