19: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:05:25.61 ID:TXSil8FD0
フレデリカ(飛鳥)「……何か辛い事を抱えている、とか」
飛鳥(フレデリカ)「ん〜、どうしてそう思うの?」
フレデリカ(飛鳥)「キミは不安に思ったりしているんじゃないのかい? もし、元に戻れなかったとしたら、とか……」
飛鳥(フレデリカ)「……」
飛鳥(フレデリカ)「そうなんだよアスカちゃーん! アタシもう不安で不安で……」
フレデリカ(飛鳥)「やはりフレデリカ、キミは……!」
飛鳥(フレデリカ)「そう、フレちゃんは誰の目につくことなく、涙をこぼし……」
フレデリカは苦しそうにもだえながら言葉を続ける。
飛鳥(フレデリカ)「そして大地は割れ……」
フレデリカ(飛鳥)「ん?」
飛鳥(フレデリカ)「海は裂け……」
フレデリカ(飛鳥)「は?」
飛鳥(フレデリカ)「空に雷鳴が轟き、山は憤怒を吐き出し、神々が舞い降りこう呟いた……」
フレデリカ(飛鳥)「待て待て待て」
飛鳥(フレデリカ)「お腹がすいた、と……!」
フレデリカ(飛鳥)「ストップ、ストップ」
飛鳥(フレデリカ)「んもー、いいところだったのに」
フレデリカ(飛鳥)「色々と突っ込み所が満載だったよ」
飛鳥(フレデリカ)「この中にウソが紛れています! どこでしょーか♪」
フレデリカ(飛鳥)「少なくとも大地と海と空と山と神々は嘘だろう」
飛鳥(フレデリカ)「はい、せーかい! 5フレポイント贈呈だよ☆」
フレデリカ(飛鳥)「……ポイントがたまると何になるんだい」
飛鳥(フレデリカ)「5フレポイントでフレちゃんとのディナーにご招待♪」
フレデリカ(飛鳥)「もう確定じゃないか」
飛鳥(フレデリカ)「というわけでアスカちゃん、ご飯食べにいこ☆」
フレデリカ(飛鳥)「やれやれ、本当に行くんだね」
フレデリカはしばしばこういった突拍子の無さがある。おかげで周囲の人間はいつも彼女に振り回れる羽目になる。
ボクのカラダになってもそのペースはいまだ健在というワケか。
全く、キミらしいよ……
キミがキミらしくいてくれるおかげでボクは自分を見失わないでいられる。
宮本フレデリカはそこにいるし、二宮飛鳥はここにいる……ってね。
フレデリカ(飛鳥)「まぁいいだろう。そうだね、ボクもおなかがペコペコなんだ」
出掛けるために足をハイヒールに入れようとしたその瞬間、とある不安がボクの頭を駆け巡った。
本当にこのままでいいのだろうか。
ボクがこの入れ替わり生活の中で何か大きなことを見過ごしているような、取り返しのつかない何かが進んでいるような、忘れてはいけないことを忘れているような……感覚。
飛鳥(フレデリカ)「アスカちゃん、はやくいこっ。ほらほら、ハンバーグが待ってるよ〜♪」
フレデリカ(飛鳥)「なにっ。ハンバーグで確定なのかい?」
飛鳥(フレデリカ)「フレちゃんの一存で決まりました☆」
気にし過ぎ、か。
ハイヒールのかかとを潰さない為に腰を下ろし、指を使って丁寧に靴を履いた。
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