曜「会いたいよ……千歌ちゃん」
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305: ◆PChhdNeYjM[sage saga]
2018/01/04(木) 12:07:19.44 ID:sGk7Q0VmO
ダイヤ「私のお爺様の代のことです。それまでは、佐原家は代々漁業を営み、内浦でも指折りの実力者でした。ですが、佐原家のやり方は少々乱暴で……一歩間違えば、黒澤家はもちろん、内浦の漁業活動全体に影響を及ぼしかねないものでした」

梨子「それは一体……」


ダイヤ「交付金の不正受給ですわ」


ダイヤ「漁業協同組合の者と内通し、交付金の額を水増ししていたのです」

ダイヤ「佐原家は、漁場での生産力向上のためであるからと主張し、事実そのお金に着手した形跡はありませんでしたが……当然、不正など許されるはずもありません」

ダイヤ「関わった組合員と共に、佐原家には一定期間の業務停止の処分が下り……佐原家は実質、漁場から追放されたのです」


梨子「でも、一定期間だったんですよね。それが終わったら、また始めればいいんじゃ……」

ダイヤ「残念ながら、ことはそう簡単ではないのです。一度信用を失った者が再び信用を取り戻すには、どれだけの時間や労力が必要か計り知れません。彼らが海に戻ることは、二度とありませんでした」


ダイヤ「その代のご主人のお孫さんが、佐原誠ですわ」

梨子「今、佐原君のお父さんやお母さんは?」

ダイヤ「……十年も前に離婚なさったとのことです。お父様はご結婚なさった後、内浦へ越してきたのはいいものの、仕事が中々見つからず四苦八苦していたと。そんな矢先にお母様は、ギャンブルにのめり込んでいったそうですわ」

梨子「ギャンブル……」

ダイヤ「詳しい事情は分かりかねますが、離婚して以来お母様はシングルマザーとして佐原誠を育てていた。しかし、ギャンブルへの依存はますます加速し……」

梨子「それで……学費を滞納してしまったんですね」

ダイヤ「一概にそうとは言い切れませんが、恐らくは」

梨子「そんなの、全然知らなかった」


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