14: ◆ukgSfceGys[saga]
2017/12/12(火) 01:19:02.71 ID:80fZfBBj0
……だけどもう頃合いだろう。あたしはわざとらしくため息をついた。
「……まあ、Pさんが忙しいって重々承知だしね……」
15: ◆ukgSfceGys[saga]
2017/12/12(火) 01:19:46.56 ID:80fZfBBj0
「はぁ……Pさん、ぬくいわ〜」
「まあさっきまでずっと走ってたからな」
16: ◆ukgSfceGys[saga]
2017/12/12(火) 01:20:35.52 ID:80fZfBBj0
「……その……周子……ほんとごめんな……いくら忙しかったからってプレゼントも用意できずに……」
「いいよ、Pさん。ただでさえ冬の稼ぎ時で忙しいのに、パーティーのためにみんなの予定を調整してたらね……。とてもじゃないけど時間なんてないよね」
17: ◆ukgSfceGys[saga]
2017/12/12(火) 01:21:23.94 ID:80fZfBBj0
「ほんと?!」
「本当だ」
18: ◆ukgSfceGys[saga]
2017/12/12(火) 01:22:34.85 ID:80fZfBBj0
あたしは不安げな顔で上目遣いをしながらPさんの顔を覗き込んだ。
長い付き合いだ、Pさんがあたしの上目遣いに弱いのは良く知っている。
19: ◆ukgSfceGys[saga]
2017/12/12(火) 01:23:09.63 ID:80fZfBBj0
「何でも、する?」
「…………何でもします……」
20: ◆ukgSfceGys[sage saga]
2017/12/12(火) 01:23:59.46 ID:80fZfBBj0
「……で?何がご所望でしょうか、姫様?」
そんな心中を知ってか知らずかPさんは話を促してくる。
21: ◆ukgSfceGys[sage saga]
2017/12/12(火) 01:25:36.30 ID:80fZfBBj0
「話は変わるけどさー。ほら、これから寒い季節じゃん。冬の撮影とかって大変なんだよね〜」
「あー、寒くても衣装は決まってるからなぁ…しかも場合によっては季節先取りで撮影したりするし……」
22: ◆ukgSfceGys[sage saga]
2017/12/12(火) 01:26:04.22 ID:80fZfBBj0
「ということで、埋め合わせは一緒にクリスマスのお出かけとか。そんな感じで、よろしゅーこ♪」
「はいはい!お安いごy…………え?今なんて言った?」
23: ◆ukgSfceGys[sage saga]
2017/12/12(火) 01:26:46.89 ID:80fZfBBj0
そう言いながらまだ騒ぎ続けてるPさんを尻目にあたしは事務所からさっさと退散する。
ドアを開けて外に出た瞬間、事務所のソレとは明らかにレベルの違う寒さが襲ってきた。
24: ◆ukgSfceGys[sage saga]
2017/12/12(火) 01:29:12.02 ID:80fZfBBj0
それからの約2週間は人生で一番長くて短く感じた2週間だったかもしれない。
単に稼ぎ時で忙しいっていうものあったけど、それよりなにより25の数字に大きく赤マルをつけたカレンダーを毎日見つめて、1日の終わりのバツをつけていく作業が楽しすぎたからだろう。
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