7:名無しNIPPER[sage]
2017/12/08(金) 01:21:03.67 ID:dW68xNSs0
ユーが鼻歌を始めた。
がたごと、ふーんふふーん、じゃりじゃり、ふーーんふーん、かたかた、ふーん、びゅーびゅー、ふーーんふん、ぐーぐー。
廃墟は無機質な物の音を吸い込んでも、ユーの出す間抜けで、ばらばらなリズムは吸い込めないみたいだ。
鼻歌で空虚は存在を掴み取り、灰色は青色に。そんな色のついた鼻歌は、形になって空に上がっていっては、色んなところに存在をくっつけている様子が想像できたからだ。
右に左に、時に行き止まりを後退したり、階段をゆっくりのぼる。
ここはどう、と聞いては、違うと言われ、あっちはよさそうと言うと、それも違うと言われる。
あっちにこっちに、存在打ち付ける。
灰色にくすんだ外壁は虹色に。
どんよりとした空模様は真っ青に、そして赤と緑の雲が流れて行く。
車輪が踏みつけた跡は黄金色に。
私たちの進む道は、ただの無色。だけど私たちが通った道は色とりどりの色模様が広がる。そんな想像。
ユーリ「ちーちゃん!あそこがよい!」
チト「わかった」
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