【ミリマス】女王閣下をプロデュース
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35: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/11(月) 06:30:23.79 ID:0U2IohVSo

「それってつまり不老不死! ああ、古来より幾多の王族や学者に冒険者たちが追い求めて来た伝説の能力がこの私に!」

そうして彼女は喜びを表すために両腕を胸元で構えると。

「ただの本好きな女の子でしかなかった私がアイドルになれただけでも驚きなのに、それが今や不老不死!

おまけに一度死んでから蘇るとか、刻印代わりの肉塊だとか、
まるで過酷な運命と使命を課せられた主人公みたいでどうしてどうしていいじゃあないですかこの状況!!

それになんだかさっきから、喉の渇き以外にも沸々と湧き上がって来るこの感覚……!
そう! 例えるなら、体の奥底から力がみなぎって来るような!」

「えぇっと……そ、それは良いな。うむ、良かったの」

嬉々として捲し立てる百合子の勢いに圧倒される春香の横で、プロデューサーも「そうそうそれな」と頷いた。

「実は俺も同じ感じなんだ。今なら連日の徹夜に残業飛び込み営業なんでもござれの無敵感!」

「春香さん、いえ春閣下さま! 今の私もフィネガンズ・ウェイク、いいえ!
ロホンツィ・コーデックスだって読破してみようと思えるぐらいの勢いで――
素晴らしいですよこの力は! ふっ、ふふふ、ふふふふふ!!」

「あ、そ、そう? なんだか、二人に喜んでもらえたみたいで嬉しいなぁ……」

とはいえだ、この時百合子も気がつくことがあったのだ。

いや、正確には先ほどよりちょこちょこと気になってはいたものの、
春香に対する圧倒的な恐怖心から聞きそびれていたと言った方が正しいだろう。


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