23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/10(日) 07:34:01.45 ID:sgFcYz010
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百合子が用を済ませてトイレから出て来ると、事務所の中はすっかり様変わりしてしまっていた。
プロデューサーが倒したパーテーションがそのままなのはこの際よしとするにしても、引っくり返っているソファ、
床に散乱している書類やファイルにポスターなどの紙類たち、予定を書き記すホワイトボードは真ん中辺りから二つに割れ、
談話エリアのテレビは床に落ちて画面に大きな亀裂を走らせている。
また、奇妙なことに観葉植物は植木鉢の中でフラワーロックよろしくわさわさと踊り狂っており、
まだ午前中だというのに窓のブラインドは降ろされて、蛍光灯の不健康な明かりが照らしている室内。
そしてなにより百合子の意識を奪ったのは、だ。
仕事机や書類棚、そしてファンからの手紙などが入った段ボール箱が事務所の真ん中に積み上げられた山の上、
そのてっぺんに置かれたプロデューサーの仕事用チェアに足を組んで座っている春香が自分を見下ろす姿だった。
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