100: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/17(日) 15:04:57.30 ID:Pl2TdVwXo
「それに、どうしてあの人たちは集合時間よりも早く集まっちゃうのかな」
今度は呆れたように呟いて、彼女はスマホをパーカーのポケットにしまい込んだ。
――なに、集合時間に最大二時間"早く"やって来る、光画部時間ならぬ
765時間はある意味彼女たちのプロ意識の表れかもしれない――と自分自身を納得させる。
そうして少女――北沢志保は左手に持つ旅行鞄を軽く揺すり、
マンションの入り口をくぐってエレベーター乗り場まで歩いていく。
呼び出しボタンを押しながら思うのは、『今時オートロックじゃないこの建物の
防犯対策は大丈夫なんだろうか?』などと言った実にとりとめのないことだ。
「あっ――の、乗ります乗ります! 待って下さーい!」
だからだろうか? 突然背後から声をかけられた志保の両肩がビクンと跳ねる。
サッと警戒しながら振り向けば、そこには見知った少女がコチラに駆けて来る姿。
「なんだ、紗代子さんじゃないですか」
志保がホッとしたように相手の名前を口にしたのとほぼ同時に、
エレベーターが到着したことを告げるチャイムが二人の少女の耳をうつ。
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