【ミリマス】白石紬「彼女の笑顔はミリオンドル」
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8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/03(日) 00:31:20.99 ID:IeQoE4Hm0
「紬ちゃん、紬ちゃん。ここにあるお菓子なんだけど――」
そんな風に、自らの身の上に対する思いを巡らせていた時です。
麗花さんが私の肩を叩きながらあるお菓子を指さし尋ねました。
見れば、それは半透明の容器に入れられた私もよく知る菓子の一つ。
「和三盆プリンだって! ……ここ、和菓子屋さんなのに」
プリンの並べられたカウンターのショーケースに顔を貼りつけるようにして、麗花さんが疑問符のついた言葉を放ちます。
まるで幼子のような彼女に店員さんはやれやれと言った様子の苦笑い。
私はそんな麗花さんの体をゆっくりケースから引き剥がすと。
「別段珍しいことではないのでは? チョコレートを大福に入れた和菓子があるように、
プリンを挟んだどら焼きもこの世には存在します。そんな中、和菓子屋が洋菓子の一つや二つ扱っていても――」
「すみません、ここにあるプリン全部ください♪ ……あ、領収書のあて名は765プロで!」
「麗花さん、またですか!? 前回も勝手に買い物して怒られたばかりじゃありませんか……!」
「でもでもお土産にいいかなって。それにほら、今日、事務所に帰ったら――」
悪びれもなく振り返ると、麗花さんはにこやかな笑顔で言いました。
「一生懸命レッスンした、プリンが大大だーい好きな茜ちゃんが待ってるだろうから♪」
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