1:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 23:16:27.36 ID:+P5Gf9cd0
千葉県千葉市。
三階の一番南側、日当たりのいい部屋に、僕の担当アイドルはいる。
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 23:19:19.77 ID:+P5Gf9cd0
エレベーターを降りて、ゆっくりと車いすを動かす。
扉を開けると、懐かしい顔がいた。
「やあ……こんにちは」
「え……プロデューサーさん? 大丈夫なんですか……?」
3:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 23:20:00.29 ID:+P5Gf9cd0
旦那さんに促されて、僕は菜々の横に腰かけた。
「やあ、菜々。久しぶりだな……元気そうじゃないか」
僕の担当アイドル。
4:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 23:21:02.51 ID:+P5Gf9cd0
バスを待っていた僕と菜々に、軽トラックが突っ込んできたのが七年前。
下半身不随になったのが僕。
頭部にダメージを受けたのが、菜々だった。
脳というのは、桶に入った豆腐のようなもので……桶に強い衝撃を与えると、豆腐は崩れて二度と戻ることはない。
そんなような説明を、当時一ノ瀬さんから受けた、と思う。はっきりとは、思い出せないけれど。
5:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 23:23:13.76 ID:+P5Gf9cd0
「今日はね。お別れを言いに来たんだ」
横に立つちひろさんの、顔色が変わった。
「あの事故の時、僕もどうも痛めたらしくてね……ここがちょっと、ダメらしいんだ」
6:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 23:23:45.89 ID:+P5Gf9cd0
「菜々。君が目覚めた時に、僕が君を覚えていないんじゃ、何かと恰好がつかないだろう?」
つまり僕は、逃げ出すのだ。
僕が菜々のことを忘れてしまう前に、菜々の前から去る。
菜々が最後に会った僕が、彼女のプロデューサーだった僕であるために。
7:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 23:26:37.38 ID:+P5Gf9cd0
「さよなら、菜々。僕の最高のアイドル……」
ちひろさんにも別れを告げて、病室を出る。
無機質な廊下。
ぼんやりとした記憶の中、彼女の歌声らしいフレーズが、僕の頭の中に浮かんでいた。
8:名無しNIPPER[sage]
2017/12/01(金) 23:33:12.56 ID:lRDeEg/+O
みんみんみんなんだよなぁ
9:名無しNIPPER[sage]
2017/12/02(土) 01:41:03.64 ID:/39O2dyJo
記憶がぼんやりしてるんだよなあ…
10:名無しNIPPER
2017/12/02(土) 16:37:37.20 ID:s3PPyz2do
これで終わりなん?
11:名無しNIPPER[sage]
2017/12/03(日) 08:03:24.48 ID:TKo4ExCWo
乙
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