勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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237: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/07/26(木) 22:28:22.95 ID:02ZN5DCz0
真夏の高原。
爽やかな風。
草の匂い。
馬蹄の響き。

戦士「止まれ」

戦士は訓練用の戦斧を肩に担ぎ、馬上でじっと目を凝らしていた。
彼の背後に控えるは、物々しい甲冑に身を包んだ3000の兵。

魚鱗鎧。

誇り高き王国軍の一員であることを示す、名誉の鎧だ。
戦士は数名の部下を斥候として送り出した。
索敵の怠りは死を意味する。

それは訓練中の今とて同じである。

斥候A「四里ほど先に歩兵3000。指揮官を中央に据え、方陣を組み、守り固めているようです」

戦士「相変わらず、守りの戦が好きよのう。良かろう、吾輩がその堅陣、打ち破ってみせよう」

今回の相手は戦士の副将・盾士である。
盾を構えた歩兵に対する突撃訓練として、戦士が直々に頼み込んだのだ。
見知った相手だからこそ、手の内を知り尽くしている相手だからこそ、逆に油断はできない。

斥候B「しかし、将軍も物好きですね。盾兵は動きが鈍い代わりに、長槍を携えています。どう考えても騎馬隊では相性が悪いのでは」

相性が悪い相手であろうと、とことん攻め立てる。それが戦士の戦だった。
あまりに苛烈なので、訓練でも死人は出る。
その地獄のような訓練を乗り越えたからこそ、戦士の部隊は王国軍でも無類の攻撃力と突破力を誇るのだった。
彼の前では槍も飛び道具も、路傍の石と同じである。

戦士「吾輩が道を開く。お前達は後に続け」

戦士は3000のうち1000を連れ、二列の縦隊を組み、駆け始めた。



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