勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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132: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/02/16(金) 00:38:26.12 ID:8+YFbR/R0
便所掃除「力に自信のない奴は、二人一組か三人一組になって応戦しろ! 槍は突く物じゃない、叩く物だ!」

四方から突き出される槍の穂をかわし、一気に薙ぎ払う。
骨が折れる、鈍い感触。はっきり手に伝わった。
敵をなぎ倒しては指示を出し、なぎ倒しては再び指示を出す。

息が荒い。腕が重い。脚もふらつく。
だが思考だけは異常に澄み切っていた。

どの機会で、どんな道順で敵の密集地から脱出するか。
味方の兵はどこにいて、何をやっているのか。すべて分かる。
天から差した光が、自分に教えてくれている。

軍師「あの男、化けたな」

軍師は防塁の上で、ぼそりと呟いた。
今回の防衛戦が、彼の心にどう火を点けたのか分からない。
便所掃除は変わりつつある。兵士気取りの貴族から、本物の指揮官へと。

軍師「いや、まだまだか」

指揮に粗が見える。
一人で敵陣に突っ込みがちだ。

まずは兵を100だけ与え、用兵の基礎を徹底的に叩きこむ。
基礎を身につけた後は200、300と率いる兵の数を増やしていく。
最終的に将軍ほどではないが、副将くらいまでは成長するはずだ。

軍師「それにしても、奇妙な戦だった。なぜテルメズはバルフに兵を出した? 貴重な労働力を割いてまで、バルフを攻める必要があったのか? 士気が低い、というのも引っかかる」

軍師「なにか、裏があるな。そうとしか思えぬ」



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