110: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/02/05(月) 16:44:13.61 ID:3Kbdwrqx0
―翌朝―
農夫「おやまぁ、兵隊さんがいっぱいだべや」
牛「モ〜」
勇者と軍師は守兵600を率いて、アムダリヤ川付近の牧草地に陣を張っていた。
先代勇者時代に築かれた防塁が、横に長く伸びている。
防壁ではなく、石を積み上げただけの簡単な防塁である。
せいぜい5、6メートルほどの高さしかない。
梯子をかけられたが最後、簡単に町の中まで侵入されてしまう。
勇者「なぜ急にテルメズが?」
軍師「バルフの権力者が変わったからだろう。先代勇者時代は魔王を倒した後ろ盾があるから、手を出しにくかった。だがお前は何をした? 新生勇者とはいえ、成果が無ければ民の心は離れる。外敵にもつけこまれる。そういうことだ」
勇者「なら、ここでテルメズを抑え込めば他の町に勇者軍の強さが知れ渡るのか。ある意味、名を売るチャンスでもあるな」
軍師「フン、気楽に考えられるお前が羨ましい」
農民の恰好をした男が軍師の傍に近寄り、ぼそぼそと耳打ちをした。
軍師「間諜から新しい情報が入った。敵軍はすべて軽装投槍兵で構成されており、目立った指揮官はいない。破城槌やカタパルトといった兵器もなし。士気は低く寄せ集めの印象を受ける、だと」
勇者「こっちも貴族兵が足を引っ張りそうだし、似た者同士だよな」
256Res/223.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20