【ポケモン】キミの知らない物語【化物語】
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44: ◆3s4IbQehY.[saga]
2017/11/29(水) 19:41:28.83 ID:xx0SD3pr0
「うぅー目がチカチカする…って、ちょっと君大丈夫!?」
「あ、どどうも 初対面なのにこんな姿で申し訳ありません」
「そんな事はいいって!ほら」

そう言って私の一番近くにいた白い帽子の女の子が私が起き上がるのを手伝ってくれた。

「あっ、ありがとうございます」
「いいっていいって!」
「にしても大丈夫でしたか?どこか、怪我とか」
「はい、大丈夫です」
「それならよかったです、ごめんなさい今ちょうどこの子が元気になったところで」
「パルゥ………」

エメラルド色のワンピースを着た少女の後ろに申し訳なさそうにするデンリュウがいた。

「このデンリュウは灯台の明かりの役割をしている子なんだ」
「あぁ…それであんなにすごい光が」
「アカリちゃんは病気になっていたみたいで、今薬を貰って元気になったから」
「パルパルゥ…」
「気にしなくていいですよ、それに転んだのは私の不注意ですし」
「ところで、君は一体どんな用でここへ?」

三人の中では一番年上、といってもまだ若そうな眼鏡の男性が聞いてきた。

「あっ、えぇっと、先程この灯台に誰かが入っていくのを見かけて気になりまして…」
「ふぅん…って、もしかしなくてもそれ、私とウツギ博士だったんじゃないの!?」
「へ?」

そう言われてみれば、彼女達の姿は先程見た人物とよく似ているような気がする。
だとすれば、私は彼女達がデンリュウへの薬を届けるのを偶然目撃した、という事か。

「あぁ、それでここへ……か」
「そうだったんだ!あっごめん、まだ自己紹介してなかったね」
「は、はい」
「私はコトネ!ポケモントレーナー!で、こっちはウツギ博士とミカンちゃん!」
「初めまして、君が僕を知ってるかは分からないけどウツギっていうよ」
「ミカン、っていいます アサギのジムリーダー務めてます」
「あっ、よろしくおねがいします えっと、これは私もした方がいいですよね」

ご丁寧に教えていただいておいて、自分は名無しのままバイバイは失礼過ぎる。
それに私は「なに…ただの旅人です」みたいな返答をする人ではない。

「リリィといいます、色々な所を旅しようと思ってて、こっちが私のクチート」
「クチクチィ!」
「わぁ!可愛い!」
「へぇ、クチートか ジョウトじゃ見かけないポケモンだね」
「姉がホウエンに行っていた時にくれたんです」
「そうなんだ!他の地方だとこんなポケモンもいるってすごい!」

喜んでいるコトネさんはすぐにクチートを図鑑に登録したらしい。

「……へぇー、クチートって鋼タイプとフェアリータイプなんだ」
「鋼、ですか」
「あぁ、ミカンちゃんは鋼タイプのポケモンを使うジムリーダーだから気になる?」
「そうなんですか?」
「はい、ちなみに使うポケモンはハガネールです ここだと出せませんけど」

そう言って照れ笑いをするミカンさんだったが、時刻を確認すると慌てた表情になる。

「あっ、もうこんな時間…それじゃあ、あたしジムへ戻ります」
「分かった!ミカンちゃん、明日挑戦しに行くからね!」
「はい、待ってます それでは」

彼女はたった今私が登ってきた梯子から下へと降りていった。
ワンピースを着ているので、何がとは言わないが少し心配ではある。

「さて、僕達も下に降りようか 時間が少し遅くなったから今日はこの町に泊まろうか」
「そうですね!リリィちゃんも一緒に行かない?」
「えっ、いいんですか?」
「いいよいいよ!リリィちゃんも旅してるんでしょ?」
「は、はい まだ始めたばっかりですけど」
「だったら一緒に行こうよ!ね、いいですよね博士!」
「そうだね、ここで会ったのも何かの縁だろうし君がよかったら」
「……でしたら、お言葉に甘えて」
「きまり!じゃあ行こう!」

そのまま成り行きという形で、私は明日もコトネさんとウツギ博士と行動する事になった。
コトネさんはアサギジムへ挑戦するということで、気合を入れなきゃと言っていた。
彼女が連れているポケモン達も彼女と同じようにやる気満々である。
とても仲が良く、信頼し合っているパートナーだな、私は人並みの感性で思った。
ただその翌日、彼女がジム戦を挑む前に、事件は発生してしまう事になる。
もっとも、事件が起きたのはコトネさんではなく、ジムの方なのだが。


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