45: ◆3s4IbQehY.[saga]
2017/11/29(水) 21:34:27.55 ID:xx0SD3pr0
―002―
「ジムが開いていない?」
翌日の午前7時、早朝から張り切ってジムへ向かったコトネさん。
その後起きたウツギ博士とコーヒーを飲んでいると、彼女は戻ってきた。
浮かない顔をした彼女から聞かされた事実が博士に上のような発言をさせた。
「そうなんです、入り口の人に聞いたらまだミカンさんが起きてないって」
「うーん、しょうがないんじゃ?ジムリーダーでも生活リズムはあるし」
「だけどその人は“いつもはもっと早くに起きるのにおかしい”って言ってた」
「あれ?」
「だとすると、確かにおかしいね なにかあったのかな?」
「だけど昨日アカリちゃんの件で色々あったし、やっぱり疲れてたのかな?」
腕を組んで考え込む二人を横目に、私は嫌な予感がし出した。
正確に言えば、嫌な予感はアサギに訪れた当初から感じてはいたのだが。
それが今になって、随分と形をなしたようになってきたと言えばいいのか。
「…とりあえず、一度様子を見に行きませんか?」
「ミカンちゃんの?」
「はい、気持ち良く眠っている所を起こすのは申し訳ないですけど場合によって」
「うんまぁ、それが一番いいよね」
二人も納得顔でうなずき、私達は揃ってミカンさんの元へ向かう事にした。
しかし、私はのちに後悔することになる。
ここでもしも二人を、コトネさんとウツギ博士を連れて行こうとしなければ。
彼女達が知らなくてもいい事に、知らない方がよかったであろう世界に。
間違えて足を踏み入れる事になるのを、防げていたかもしれなかったから。
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