76: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/21(火) 07:11:26.59 ID:Zgmwr4p30
>>54の画像がPCからだと異様なことになっていたのでPC閲覧者向けに再掲させていただきます。対処遅れまして申し訳ありませんでした
※青ヶ島外観
fsm.vip2ch.com
77: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/21(火) 07:37:07.52 ID:Zgmwr4p30
傍らに立つ、龍驤さんに視線を送る。彼女もまた、僕を見上げた。
日頃は元気で威勢がいい、頼れる僕の秘書艦。それが今は、まるで雑踏の中で親からはぐれそうになっている子供みたいに怯えた眼をしている。
どこにも行かなでとでも言いたげに無意識の内に僕の提督服の袖口を摘まむ指は、震えていた。
78: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/21(火) 07:52:34.17 ID:Zgmwr4p30
( ´∀`)「今、クソ陰険爺と言いかけましたね?」
まぁいいですけど。そう言って笑う茂名長官の笑顔が、たちまち元の「好々爺」へと戻っていく。多少の叱責は覚悟していただけに、ちょっと拍子抜けしてしまう。
( ´∀`)「物語でしたら、こういう場面は断られるのが相場と決まってますからね。正直な話、予想はついていました。
79: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/21(火) 08:15:58.48 ID:Zgmwr4p30
では、戦略的な意味ではまるで日本に利するところが無いトップの交代劇。戦略的な意味がないなら、次に視点となるのは“政治的”な方向だ。
(´Д`)「間違っていたら申し訳ありません。ただ、海自上層部並びに横須賀司令府は深海棲艦の大規模攻勢を前にスケープゴートを作ろうとしていたのでは無いかと」
( ´∀`)「…………これはこれは、金田一耕助か夢水清志郎か、といったところですね」
80: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/21(火) 08:47:11.70 ID:Zgmwr4p30
それに僕なら………上層部の多くに嫌われ、根回しや人脈造りが困難な僕なら、前者の結果を辿っても「お飾り」のまま担ぎ上げていられ自分たちの既得権益や実権は握り込んだままでいられる……邪推だが、そんな計算も働いていそうだ。
( ´∀`)「勿論、自衛隊や司令府が完全に腐りきってるわけでは無いです。というか、ぶっちゃけた話これでも他国に比べれば相当にマシな部類ですね。保身を謀って私にこんな馬鹿げた話を持ってきた連中も、こと軍事に関しては優秀ですし」
その点については僕も同意する。鳥島の重要性には上層部も早くから気づいて八丈支庁に働きかけていたし、戦力の増強や深海棲艦への対処にも熱心だ。何より、僕が記憶する限り海自も司令府も上層部の顔ぶれは開戦以来殆ど変わっていなかったはずだ。つまり、六年間に渡って深海棲艦と彼らは渡り合ってきた。
81: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/21(火) 11:05:11.28 ID:3jzjfgO1O
イギリスも真っ青の二枚舌にどっと冷たい汗が噴き出る。あぁ、正直者に生まれてよかった。
( ´∀`)「もう一つ理由を挙げるなら────上層部の思惑とは別に、私自身は貴方のような人間にゆくゆくは鎮守府組織の上層部を率いていって欲しいからというのがあります。
イツクシマ作戦で現場指揮のレポートを見た杉浦一尉も、貴方の指揮は柔軟で無駄が無いと絶賛していました。志願組であるが故に、固定観念に囚われない発想ができるのは強みだとも。
82:名無しNIPPER[sage]
2017/11/21(火) 13:07:45.17 ID:I7QHd+3A0
モナさん強烈過ぎるなw
それにしても本当に構想力が凄い…現実世界で海洋側から殺到される、なんて状況は地獄だけど、幸か不幸か日本の仮想敵は大陸側で深深度機雷なり魚雷なりでズタズタにすれば干上がるし…
ssと関係無いけど兎に角酷い話で、
>「今のまま自衛隊を(憲法に)明記すれば、地球の裏側まで行って戦争ができることになる」
83:名無しNIPPER[sage]
2017/11/21(火) 13:51:53.86 ID:8gMoj96C0
その関係ないと自分でもわかってる箇所で政治的()演説を頼んでもないのでここでおっぱじめる層が湧いてくるからやめなされ
よくできたssが罵詈雑言で埋まるのは困る
84:名無しNIPPER[sage]
2017/11/21(火) 14:03:49.46 ID:I7QHd+3A0
>>83
そうですね、失礼しましたm(_ _)m
85: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/21(火) 18:20:26.88 ID:3jzjfgO1O
魑魅魍魎が跋扈する政界を身一つで生き抜いてきた老政治家の、鋭い眼が微笑みの中で仄暗い光を放つ。
( ´∀`)「理由を、お聞かせ願えますか。ただの老人の好奇心ですが、私は八頭進という人間の“本音”を聞いてみたい」
「っ」
86: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/22(水) 13:07:42.32 ID:1X342Du80
今でも、外務省経由で報せが届いたときの気持ちはよく覚えている。目の前が真っ暗になるという表現が非常に的確な比喩だったと言うことを思い知ったあの日。
寡黙だが温和で、いざというときは頼りになった父。
怒ると魔王も裸足で逃げ出すほど怖いが、そうでなければ優しくおおらかな母。
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