42: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/19(日) 23:23:21.91 ID:TIWNuS4m0
最前線以外の離島拠点は、直前の防衛線が破られるまでは航空支援に徹し主力に損害が出ることを極力回避。そうして段階的に敵艦隊を疲弊させつつ此方の戦力を強化していく………というのが上層部が描いている国防の青写真だが、これには深海棲艦との戦争が始まって以来付きまとい続ける大きな問題がある。
(´Д`)「これほどの規模の攻勢が行われれば、硫黄島・父島と青ヶ島間の空白海域がなおのこと重いね」
「せやな」
龍驤さんが、資料に添付された地図を指でトントンと叩く。
「フィリピン海からの攻勢経路は硫黄島方面にも伸びとるから、ウチらと硫黄島は同時に攻撃を受けることになる。
空白海域を寸断されたら、硫黄島、父島、母島は勿論南鳥島まで孤立するで」
【イツクシマ作戦】の折は敵艦隊誘因に当たって絶好の「餌」となったが、基本的に硫黄島と青ヶ島の間に横たわる防衛線の穴は日本の国防上最大のアキレス腱になっている。当然敵艦隊の侵入・展開を防ぐため在日米軍まで巻き込んだ徹底極まりない哨戒が行われているものの、到底万全の備えとは言い難い。
(´Д`)「最悪なのは、青ヶ島と硫黄島には増援を出せなくなる程度の規模で攻撃を仕掛け、空白地帯の警戒部隊を奴等の主力が全力で潰しに来た場合。
補給も修理も出来ず航空支援も遮られた海原の真っ只中で波状攻撃を受け続ければ、どんなに精鋭を展開させていたとしても幾らも持たずすり潰される」
「ウチらにとっての最悪、つまり敵にとっての最良手や。絶対ではないにしろ、向こうは限りなく100に近い確率でこの手を打つ筈や」
一応防空指揮艦【いせ】を旗艦とする第4防空機動艦隊───空母打撃群と潜水艦群がほぼ水上駐屯に近い形で定期警戒を行っているが、それでも戦線を維持するにはあまりにも戦力が薄い。
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