7:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 18:44:19.84 ID:AW4FyFFm0
有香はすっかり意気消沈してしまったようだ。
肩を落としてしゅんとした顔をしている。
悪いことをした。あたら拳を振りかざすとは大人げない。俺は深く反省した。
でも強くなりたいという話なら、これから頑張っていけばいい。
そう伝えると彼女はふいっと顔を上げて、
「本当ですかっ! じゃあ、またお願いしてもいいですか?」
と期待と不安の入り交じった声で聞いてきた。
それはまあ、やぶさかではないが。でも俺はそろそろ……。
「あのっ、他の技も教えてもらいたいのですけど……」
ずいっと有無をいわさぬその勢いに押されて、俺は反射的に頷いていた。
頷いたけど空手はいいのだろうか。他流派学ぶのは教義的に許されるのか。
一転して明るい笑顔を取り戻した彼女にそんなことを聞けるはずもなく、
二人して手帳を取り出して次の"レッスン"の日取りを決めることになった。
そういえば。
たしか退職願には日付を記載する欄があったはずだ。
どうするか。
また、書き直さなきゃならない。
59Res/64.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20