6:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 18:42:31.37 ID:AW4FyFFm0
なんだって?
て、"天青仰掌(てんせいぎょうしょう)"です。
要するにアッパーカットの掌底バージョンである。
勁に裏打ちされたこれを受けたが最後、相手はなす術なく倒れ込み、仰向けになって雲一つない蒼穹を見つめざるを得なくなる。
ゆえに"天青仰掌"というわけだ。顎は人体の急所であることはご存じの通りである。
基本技なので特に由来はない。いつの間にかできていた技だ。
これも本気で打ち込めばただではすまないだろうが、当てるなんてとんでもない。
有香の顔に傷でもつけたら罪の意識で眠れなくなる。
しかし彼我の実力差は明らかになったはずだ。
状況は完全に俺の支配下にある。ナイフを喉元に突きつけたようなものだ。
掌底が彼女の顎に触れたまま、しばし二人は膠着する。
有香の頬を一筋の汗が流れていき、俺の手のひらに落ちてきた。
「ま」
ま?
「参りました……」
間。
59Res/64.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20