35:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:39:38.54 ID:AW4FyFFm0
「なんじゃあテメェは!!」
「どこの組のもんだコラァ!」
「そのけったいな仮面外せやオラァ!」
「見張りはなにしてんでェエイ!」
どう見ても有香でしょ。脳筋の集まりかよ。あと警察でしょ。
「ここにいた人たちなら、早苗さんがやってくれました」
龍の仮面を被った少女がゆっくりと告げる。
"早苗さん"って言っちゃってる。
彼女は周囲を見回して、縛り付けられた俺の姿に目を留めた。
両拳を握りしめる音がここまで聞こえてくる。肩をいからせて、わなわなと体を震わせはじめた。
「プロデューサーさん……!」
だめだ、この人数を相手にかなうはずがない。逃げろ!
叫んだつもりだったが、ガムテープのせいで"んぇお!"という変な声になってしまう。
それでも彼女は動じる様子もなく近づいてくる。俺の言葉は届いていないようだ。
目が慣れてきて彼女が道着を着ているのがやっとわかった。
神誠道場ってめっちゃ書いてあるけど……。
「プロデューサーさん、私は怒っています」
有香が低い声で話し始めた。語気が強い。
怒っている? 怒っている彼女なんて見たことがない。
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