57:名無しNIPPER[saga]
2017/11/17(金) 23:26:06.86 ID:AfFddOPUo
◇
かつ、かつ、かつ。
アスファルトを踵が叩く音がどこかから聞こえる。
少女は辺りを見渡すように頭を揺らす。
しばらくして、目的のものを発見したのか、再び小気味良い足音を立てて駆けていく。
少女は一人の男の背後から背中に勢い良く抱きつく。
男はよたよたとよろけた後、目を細めて掌を差し出す。
それを見た少女は満面の笑みを浮かべてそれを握った。
「もてもて?」
「娘にモテてどうすんの」
「いーじゃん。いーじゃん。貰い手の予定もないんだから」
にんまりと笑む少女とは対照的に呆れたように息を吐く男。
「お前、俺が今度”鏡の扉”を見つけたら覚えとけよ。お前も死ぬ気で探せ。こっちの世界じゃ叶わん夢もある」
「たまにとーさん変なこと言うよね」
「そしたら向こう側でかーさんと一緒に死ぬほど歌ったり踊ったりさせてやるから」
「なにそれ、ちょっとこわい」
「見つかんなかったら死ぬまで俺が飼い殺してやる。ぜってー男にはやんねー」
「それはそれで、ちょっと倒錯的なものを感じるよとーさん」
◇
モバP「あべこべとか美醜逆転とか、いろいろ」 END
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