75: ◆xJHI1D1Uro[saga sage]
2017/11/10(金) 17:07:38.46 ID:/aq2I7elo
ありすは目に涙を溜め、吐き捨てるように続けた。
「それなんです、みんなそうです。プロデューサーの方も、言うんです。
珍しい名前の子がいて気になったって。
……そればっかり。誰も私をちゃんと見てくれない。
先生だって、おんなじですよね。ありすって名前じゃなかったら、私のことなんてどうでもよかったんじゃないですか?」
その、真っ直ぐすぎる言葉に、私は何と返せばよかったのか。
「ごめんね、ありす」
「――――」
ありすは裏切られたような顔をして、それから、何も言わず、私に背を向けた。
彼女はどんなに傷ついたか、知れない。私が悪いのだ、と思った。
私はまた、言葉を飲みこんだ。言わなきゃ、言わなきゃ、と思っている言葉を。
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