橘ありす「二人ぼっちのアリス」
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11:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:25:58.67 ID:/E20kLoAo
「え、ああ、……ごめんね。それで、橘さんは?」

「話に嘘はありません。だけど、先につっかかってきたのは向こうです」

 ありすの言い方に、私は思わず苦笑してしまった。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:28:26.65 ID:/E20kLoAo
「きちんと話してくれてありがとう。先生も一生懸命、このことを考えるからね」

 そう言って、私は彼を先に帰してやったが、ありすはそれに不満を募らせている様子だった。

「決着がまだついてません」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:29:34.87 ID:/E20kLoAo
「私が悪いんですか? 私が悪者だから、あの子を先に帰らせて、じっくりお説教っていうことなんですか?」

「ううん、そういうことじゃなくて、いろいろ聞きたいのね、先生。
 ……橘さんは、いつからタブレットを持ってきていたの?」

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:30:50.47 ID:/E20kLoAo
 私はそれを聞いて困った。
 確かに、連絡手段としてのスマホ、携帯電話は黙認に近い形で見逃されている。
 小学生とはいえ、いまどき珍しくない。が、タブレット端末となると、ちょっと微妙なラインだろうか。

 なにしろ、大きい。畢竟、目立ってしまうから、今日のように(良く言えば)正義感のある子を刺激してしまう。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage]
2017/11/09(木) 12:32:47.80 ID:gx0aw+sAo
それスマホでも同じこといえますよね?


16:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:43:20.29 ID:/E20kLoAo
「今日は、すこし遅くなるからって連絡をしたんです。ただそれだけですよ」

「うん。ありすちゃんの使い方に悪いところはないって、先生も思う」

「そうですよね」と、ありすはホッとしたようだった。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:52:38.08 ID:/E20kLoAo
「あっ、持ってきちゃダメって、先生言ってるわけじゃないんだ」

「じゃあ、どうすればいいんですか?」

「提案があるんだけど、……橘さんが朝、登校してくるじゃない?
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:56:00.73 ID:/E20kLoAo
「わかりました。それじゃあ、あの、そろそろ、いいですか?」

「うん、今日は遅くまでごめんね、さようなら」

「はい。さようなら」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:58:03.39 ID:/E20kLoAo
 いま、私が受け持っているクラスは6年生。
 12歳――意外に大人びた部分と、まだまだ子供らしい部分とが入り混じる難しい年齢。
 けれど、みんないい子ばかりだ。「アリス先生」と私を慕ってくれている。

 思い返せば、ありすとまともに話をしたのは今日が初めてかもしれない。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:02:45.80 ID:/E20kLoAo
 ――――

 あれから、毎朝、ありすは約束通り私にタブレットを預け、放課後に受け取って帰る。
 お願いします、ありがとうございました、といちいち丁寧な子である。
 しつけが行き届いているのだろう。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:05:01.77 ID:/E20kLoAo
「ええ、構わないわよ。どうぞ、座って」

 私はパイプ椅子を取って、デスクの傍に置いた。

「あ、……すみません」
以下略 AAS



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