橘ありす「二人ぼっちのアリス」
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19:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:58:03.39 ID:/E20kLoAo
 いま、私が受け持っているクラスは6年生。
 12歳――意外に大人びた部分と、まだまだ子供らしい部分とが入り混じる難しい年齢。
 けれど、みんないい子ばかりだ。「アリス先生」と私を慕ってくれている。

 思い返せば、ありすとまともに話をしたのは今日が初めてかもしれない。
 彼女は教師である私と意図的に距離を置いているようなところがあり、必要以上の言葉を交わしたことはなかった。
 それに、問題を起こすわけでもなく、学習面や生活面にも問題はなく――、
 しいて挙げるならば、友達を作らないことくらいだが、好き嫌い以前に、単に気の合う人間がいないことが理由のようだ。
 休み時間にはひとり席で本を読んだりしている。

「あれだけ大人びてれば、そうなっちゃうのかな」

 私はため息をついた。
 自分が12歳の頃は、どんな風だったか……――アリスという名前が、ぐるぐると頭の中を巡った。


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