三船美優「純情な想いに酔わせていただけませんか……?」
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34: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/11/13(月) 18:33:53.55 ID:+NMp4x7MO



「まず……今日は一日、俺に付き合ってくれてありがとうございました。とっても充実した休日でした」

「そんな……私こそ。それに、これからもずっと……」

 その事なのですが、と。
 幸せそうな表情をする三船さんを制す。

「三船さん。あの日、初めて会ったあの時貴女に言った言葉は……」

「……やめて下さい」

 三船さんも、勘付いてしまったらしい。
 一瞬にして哀しそうな表情に変わる。
 もしかしたら、彼女も分かっていたのかもしれない。
 それでも、そういう意味だったら良いな、と思ってくれていたのだとしたら……

 それでも、俺はきちんと告げなければいけない。

「……プロポーズのつもりなんて、俺にはありませんでした」

「……はい」

 なんて、冗談ですよ、と。
 そう軽く流して、そのまま夕飯の準備を一緒に出来たらどれだけ楽な事か。
 けれど、そんな楽な方楽な方ばかりへ進んで。
 最後に俺は、覚悟のない責任を取れるだろうか。

 寝言での、意識のないプロポーズなんて。
 自分は何も言わず、相手の気持ちだけ聞いてそれに乗っかるなんて。
 そんなの、誰も幸せになれない。
 きっと必ず、最後にはツケが回ってくる。

「……分かって、いました……きっと私だけなのかも、って……幸せな想いに酔いたいのは、私だけで……」

「貴女と結婚なんて……夢見ることはあれど、実現出来るなんて思ってなくて……」

 今日一日、本当に申し訳ありませんでした。
 そう、頭を全力で下げた。



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