99:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 04:08:49.20 ID:grI1dH9y0
普段から鍛えている事が功を奏し、息を切らす事無く目的地に到着。
背中からサンディを降ろしてみれば、なんだか嬉しそうな顔をしていたのに気づく。
どうしたの、と訊ねてみると。
「お兄さん、すごい。しゅぱぱぱぱ、って、まるで飛んでるみたいでした」
「足の速さをそこまで喜んでくれるのは予想外だよ」
幼い子は足が速い男子が好きとはいうが。サンディも例に漏れないということか。
それよりほら、と前を指さしてみた。
「わぁ…………!!」
実際に目の当たりにしたキリンに感嘆の声を上げた。
サンディの大きな目が目映くキラキラ光っているような錯覚を覚える。
「大きいですね」
「うん」
「首が長いです」
「うん」
「目がぱっちりしてて、かわいいです」
「そうだね」
「かわいい……かわいいなぁ……」
嬉しそうにサンディはキリンを見つめている。
そんな彼女の気持ちなど何処吹く風で、キリンはマイペースにエサを食んでいる。
むっしゃむっしゃと食べるその様までたまらないようで、僕の服の裾をくいくいと引っ張ってくる。
「キリンがエサを食べてます」
「うん、食べてるねぇ」
「可愛いです」
「うん、可愛いね」
「あ、こっち見ました。可愛いです」
「そうだね」
「あ、かわいいです」
「うんうん」
当初会った頃から日本語が堪能だと思っていた彼女だが、どうやらキリンを見ていると語彙力が低下していく事が分かった。
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