7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/11/06(月) 21:26:06.15 ID:1bqYoAB70
しばらくして抱擁を解くと、少し息苦しかったのか、けほけほと咳き込んでいた。
すまないと思わず謝った。力加減が分からなかったのだ。
その黒髪の少女は一体何をされていたのだろうといった表情で呆気に取られている。
「君たちを、助けにきた」
そう伝えて、髪をくしゃくしゃと撫でてみる。
眼前の黒髪の少女の瞳に一瞬だけ光が戻り、その子が逆にこちらの胸に飛び込んできた。
そして、そのまま大声で泣き始めた。
奥で震えていた子どもたちも次々に抱き着いてきて、しゃくりを上げて大泣きしてきた。
目先のお金と恰好つけで始めた仕事にしては、随分と貰える報酬の多さに驚いている。
死ぬほど辛くて、何度か本当に黄泉路を歩きそうになったけれど。
請けて良かった。あの時の自分の判断こそが正しかったのだと、ようやく実感できた。
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