8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/11/06(月) 21:38:00.79 ID:1bqYoAB70
それから約一か月後、日射しの気持ち良い秋晴れの頃。
依頼人が自分の事務所を訊ねてきた。
「依頼達成、お疲れ様でした。請け負ってくれて有難うございます」
事務所の安革ソファに腰を下ろし、労いの言葉をかけてくる。
気にしないでください、お役立てできて何よりです。
そんな言葉を返すと、眼前のスーツ姿の青年は、にこりと会釈を返してくれた。
「貴方が身を粉にしてくださったおかげで、一つの大きな組織が滅びました。
子ども達も無事に保護できて何よりです」
あの子達は元気かどうか聞くと、今はまだ療養中との事だった。
「元々あの三人は、組織お抱えの娼婦たちがそれぞれ捨てた孤児だったのです。
身寄りどころか戸籍もなく、組織内で文字通り飼われていた子でしたから……。
劣悪な環境下で育っていたので、日本の病院の綺麗さを天国だと言ってました。
まぁ確かに天国へ繋がっている人も居るかも知れませんがね。 はっはっは」
いや、はっはっはじゃないだろう。地味なブラックジョークは止めてほしい。
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