5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/11/06(月) 20:54:56.54 ID:1bqYoAB70
なるほど、本商品とはそういう事か。
確かに組織は潤沢な金銭を抱えている。潤沢すぎるほど、金の流動を見せていた。
その謎の財源はどこから来ているのかと思えば、その子どもたちの人身売買が出処だったのか。
なるほど、なるほど。
握り拳の隙間から血が滴るのを隠しつつ、そのジャンキーに詳細を聞いてみた。
現状は船のタコ部屋で軟禁状態。
船に乗せる前から長期間“しつけ”を行なっているので、暴れる奴はいない。
ボスの到着と同じ日に〇〇港に着く予定なので、ボスが子ども達を出迎える手筈になっている、との事。
貴重な情報が聞けた事の小さじ一杯ほどの感謝をしつつ、どうして只のジャンキーがここまで情報を握っているのか訊ねてみた。
曰く、彼は幹部と飲み仲間で、且つこういう情報を小耳に挟んで組織内を立ち回る情報屋だった。
ある日新人から勧められた薬が非常にハマってしまい、
そいつから薬を貰う代わりにこういう情報を喋ってしまうので、ついつい口が滑ってしまったんだ。
わひゃわひゃわひゃ、と心ここに在らずのような笑い方をしながらそのままジャンキーは去っていった。
どうやら自分の同業者には素晴らしいマキャベリストが居るようだ。
手段はさておき、顔も知らない彼の手練手管に感心しつつ、ホットな報告を依頼人に送った。
「承知しました。つい先ほど貴方と同じ情報が入ったので、信憑性はヒトマルですね。
不審な船の調査を急ぎます。元締め退治と奪還は同時に行う作戦に変更です」
了解、と残して通話終了。後はもう少しだけ情報を探るとしよう。
この組織の壊滅も近い。
なんとなく、そんな気がする。
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