481:名無しNIPPER[saga]
2019/04/02(火) 16:37:43.13 ID:YmoQ0jae0
まぁ、それはさておき。
僕は手元に備えていたサンディからの義理チョコをマスターに
借りを返すかの如くこれ見よがしにとちらつかせる。
「いやー、マスター。確かにいい男の前には自然と集まってしまうみたいですな」
「良かったじゃねぇか。なぁ、嬢ちゃん?」
そう言いつつサンディに話を振ると、当の彼女は真っ赤になった顔を隠そうと俯きつつ、
両手をマスターに向けてパタパタと振っている。かわいい。
「確かに、義理でも人情味があるとチョコの良さも一際グッときますね」
パタパタ振ってたサンディの手が止まった。
そして油の切れたロボットのようなぎこちなさで顔を上げ、マスターの方に向ける。
向けられた彼は片手で顔を覆いつつ、天を仰ぎながらも何某かのジェスチャーをサンディに返す。
あの阿呆には俺から言ってやろうか、的なモーションだ。
するとサンディは首をブンブン振って、ガッツポーズのような動きを取る。
これからも頑張ります、的なモーションだ。
「嬢ちゃん、そのココアは奢りだ……。ゆっくり飲みな……」
「ありがとう、ございます……」
「いいってことよ……」
僕の知らない所でハードボイルドが繰り広げられている気がする。
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