477:名無しNIPPER[saga]
2019/04/02(火) 15:44:55.82 ID:YmoQ0jae0
そんな話をしていたら、カランコロンと来客を知らせる入口ドアのベルが鳴った。
噂をすれば何とやら。そこに居たのは、本屋の紙袋を抱えたサンディだった。
「お兄さん、お待たせしました」
「ううん、全然待ってないよ。何か良い本は買えた?」
僕の言葉に、サンディは軽く首を縦に振る。
そして嬉しそうにはにかんだ笑顔を浮かべてくれた。
言葉にせずとも十二分に買い物を堪能できたと分かる仕草だ。あいくるしい。
彼女をよく見ると頬と鼻が少し赤い。
外気の寒さから暖かいお店に入って血色がよくなった影響か。
いつまでも入口に立たせているのは申し訳ないので、手招きをしてカウンターに呼んでみる。
とてとて、とやや早めに歩いてきて、そのまま僕の横に着座。
耳までほんのり紅色している。これは思ったよりも外が寒そうだ。
「マスター、サンディにココア」
「あいよ」
奥の炊事場で洗い物していた彼に声をかけて、温かい飲み物が出てくるまでは小休止。
その間にさて何を話そうかなとサンディの方を向いてみると、はたと彼女と目が合った。
僕が向くまでにずっとこちらを見ていたのだろうか。
目が合った後は、ハッとした顔をして目をテーブルに伏せるサンディ。
まだまだシャイな所は相変わらずかな。それもまた可愛いらしくて良いところ。
うむ、これは友チョコを貰える線は薄そうだ。
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