476:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/02(火) 15:29:12.78 ID:YmoQ0jae0
「まぁでも、お前も一つくらいチョコ貰えるだろ」
「おあいにく様ですが、そんな人なんていませんよ」
「何言ってんだ。同居人の嬢ちゃんがいるじゃねぇか」
おお、サンディの事か。
今は例の如く喫茶店付近にある本屋で書籍を物色中な彼女だが、
果たして今日がそんなイベントだと知っているのだろうか。
テレビを好んでよく見ているので、バレンタイン特集とか放送されていたら
賢い彼女は色々と察してそうではある。
「どうでしょうね。もし知ってるなら有難く義理チョコを貰いたいところですよ」
僕がそう言うと、マスターは苦い顔をして軽くため息をつく。
「いや、嬢ちゃんの義理チョコねぇ……」
「友チョコくらい親近感を持ってくれてるなら尚更嬉しいですね」
僕の言葉を聴いたあと、マスターは振り返って洗い物のために炊事場に向かう。
その道中で何故か目頭を押さえる仕草を見せてきた。
こいつ相手は嬢ちゃんも大変だな、とカウンターの奥から聞こえてくる。
モテないハードボイルドはそんなに駄目ですか親父殿……。
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