448:名無しNIPPER[saga]
2018/10/15(月) 22:38:21.02 ID:4uI/TZsD0
サンディは握っていた僕の手を放して、つかつかとマオ君に近づいていく。
そうして悲しみの抱擁が終わった彼の前に立ち、次はサンディが彼にハグをした。
そして背中を二度三度、ポンポンと叩く。
その後にサンディとマオ君は初めて向かい合い、互いの目を見つめた。
はっ、とマオ君はサンディの何かを察したような仕草をする。
サンディと僕を交互に数度見て、その様子が終わったあとにサンディは無言で彼に向けて頷く。
次はマオ君が無言でサンディに抱擁を返した。
そして背中を二度三度、ぽんぽんと叩く。
抱擁が解かれたあと、彼らはほんの数秒だけ見つめ合い、何故か堅い握手を交わした。
この動作が行われている間、たったの一言も言葉を交わしていないのに。
何故かサンディとマオ君の間には確かな友情らしきものが生まれていた。
二人の表情を見るに、友情というか、同盟というか、仲間意識というか、そういうものすら感じてしまう。
彼らの思いなぞ終ぞ知らぬ僕と店員さんは、きっと同じ事を思っていたに違いない。
最近のシャイな子どもって、何も言わなくても友達になれるんだなぁ、と。
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