445:名無しNIPPER[saga]
2018/10/15(月) 22:19:24.64 ID:4uI/TZsD0
店員のお姉さんは、よくできましたと言わんばかりにマオ君をぐりぐり撫でくりましている。
当の彼は、やめろよと口では言いながらも、嫌がる事無くされるがままだった。
どことなく照れているような素振りすら伺えてしまう。
……おや、これはひょっとして?
ひとしきり撫で終えたあと、店員はこちらを振り返って笑顔を向けてくる。
「それにしても、お互いに子ども連れって奇遇ですね。
お兄さんは彼女さんとかいらっしゃらないんですか?」
「いやぁ、あいにく縁が無いものでして」
「モテそうなのに意外ですねぇ」
「それを言うならそちらこそ。彼氏さんとは予定が合わなかったんですか?」
「謙虚に地雷を踏むタイプの人ですか、お兄さん……!
彼氏なんてもう長いこといませんよ……」
店員のお姉さんは、げんなりと肩を落とすような仕草で、これみよがしに大きなため息をつく。
僕はこういう男女が絡む話は苦手なんだ、ハードボイルドだから。
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